【11月9日 AFP】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は9日、イランが先週、国際原子力機関(IAEA)の女性査察官に取った対応を「言語道断で不当な脅迫行為」と非難した。

 IAEAによると、査察官が本部のあるオーストリアのウィーンに向かおうとしたところ、出国を一時差し止められた。ポンペオ氏はこれを「拘束」に当たると非難した。

 イラン原子力庁は7日、この査察官が10月28日に中部ナタンズ(Natanz)のウラン濃縮施設を訪れた際、出入り口で警報が作動したため、「不審物」を持っている疑いがあるとして立ち入りを拒否したと発表した。

 イランのカゼム・ガリブ・アバディ(Kazem Gharib Abadi)IAEA担当大使によると、査察官は、さまざまな種類の爆発物を検出できる機械による検査を待つ間、「こっそり抜け出して」トイレに行ってから戻ると、警報は鳴らなくなった。トイレは汚染されており、その後の家宅捜索で空のハンドバッグが見つかった。イランによると、全ての捜査にはIAEAの当局者が立ち会っていた。

 ポンぺオ氏は、「米国はIAEAのイランでの監視・検証活動を全面的に支持しており、イランが適切な協力をしていないことに警戒感を抱いている」「IAEAの査察官は、その重要な任務を、妨害を受けることなく果たすことが認められなければならない。われわれはイランに対し、IAEAとの間で未解決のすべての問題を直ちに解決し、査察官に与えられることになっている特権と免責を与えるよう求める」と述べた。(c)AFP