【11月9日 AFP】ブラジル左派の象徴的存在で、収賄罪で有罪判決を受けて1年半にわたって収監されていたルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)元大統領が8日、釈放された。最高裁判所が7日夜、控訴審で有罪判決を受けた時点で収監されるというこれまでの規定を覆す判決を下したことを受けたもので、この判決により数千人が釈放される可能性がある。

 黒いTシャツにスーツジャケットを着たルラ氏は、ブラジル南部クリチバ(Curitiba)の連邦警察本部から出てくると拳を突き上げ、すぐさま支持者や記者らに取り囲まれた。

 最高裁が賛成6、反対5で決定した今回の判決により、ルラ氏を含む数千人の被告人が釈放される可能性がある。被告人は有罪が確定するまでは自由の身になるが、高額な弁護費用の支払いが可能な人々が関与する裁判では、最終的な判決が出るまで何年もかかる可能性があるとの批判も出ている。

 2014年に始まった「洗車(Car Wash)」作戦と呼ばれる大規模汚職捜査で逮捕された多数の政治家や企業幹部も、今回の判決の影響を受ける。(c)AFP