【11月9日 Xinhua News】中国陝西省(Shaanxi)にある西北大学の研究チームはこのほど、考古学者がこれまでに同省洛南県(Luonan)竜牙洞(Longyadong)で発見した有鱗(ゆうりん)類の化石が、約35~27万年前のヨーロッパヤマカガシ(Natrix natrix Linnaeus)であると判明したことを明らかにした。

 同大学地質学系シニアエンジニアの李永項(Li Yongxiang)氏は、これらの化石は2点あり、1点は長さ約3ミリのヘビの脊椎で、もう1点はヘビの脊椎が三つ連なった長さ約10ミリのものだと説明。これらは陝西省考古研究院が1996年に発掘、採集した標本の一部で、化石が非常に小さいため、当時は動物の種類や部分の特定には至らなかった。

 李氏は、比較的完全なヘビ類の化石は珍しく、今回年代が明らかになった化石は、ヘビが死んだ後に地下に埋まり、数十万年の長い地質年代を経て、地下水や洞窟の水滴に含まれる石灰質がヘビの骨の成分と入れ替わって凝固したために原形をとどめていると説明。今回の発見はトカゲやヘビなどの爬虫(はちゅう)類が竜牙洞で古代人類や哺乳類と共に生存していた可能性を示すだけでなく、現代のヘビの起源や進化に直接的な証拠を提供していると述べた。

 研究結果はこのほど、国際的学術誌「Journal of Vertebrate Paleontology」の電子版に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News