【11月16日 AFP】ロボットの研究開発を手掛ける米ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)の犬型ロボット「スポット(Spot)」が先ごろ、インターネットで話題となった。しかし、その優れた能力をめぐっては、人類にとって脅威になるのではないかと不安視する声も上がっている──。

 同社のマーク・レイバート(Marc Raibert)最高経営責任者(CEO)は、ポルトガルの首都リスボンで今月開催されたウェブサミット(Web Summit)でAFPの取材に応じ、スポットは邪悪ではなく、武器に転用されることもなく、人間の脅威にはならないと主張した。同社はスポットの初期モデルを、2020年夏までに1000体出荷する予定だ。

 レイバート氏によると、スポットはこれまでのところ建設現場でのデータ収集や進行管理に使われている他、ガスや石油施設など監視が必要なあらゆる施設での利用が想定されるという。また、同社は公共の安全分野での活用にも力を入れている。例えば、危険な環境、爆弾の脅威、不審物の対応で、警察官に代わりスポットが処理にあたることが可能だ。

 レイバート氏はスポットについて「人間を障害物として認識し、回避するように設計されている。だが、人間と密接に協力して働くようにはできていない。このため家庭用に販売することは考えていない」と指摘した。

 また、職場での利用も限定的になるという。「ロボットに感じる恐怖は、ロボットが間違って何かにぶつかってしまうというものではない」「それとは別の恐怖で、ロボットは非常に優れていて、人間に怒りを感じるようになるといったSF的な恐怖だ。それは今日のロボットでは現実的なものだとは思えない」とレイバート氏は述べた。

 さらにレイバート氏はハリウッド映画がロボットに対するイメージを極端なものにしたと話す。「ロボットは邪悪ではない。人間のような感情も、エゴも、野望もない。スポットのライセンス契約では、人を傷つけたり、怖がらせたりするために使うことを禁じている。われわれはスポットを兵器として使ってほしくはない」

 ボストン・ダイナミクスはこの他、倉庫で箱を移動させたりする鳥型物流ロボット「ハンドル(Handle)」や二足歩行ロボット「アトラス(Atlas)」を手掛けている。

 レイバート氏は「私たちは売るためのロボットをつくっているが、長期的な関心は人や動物が滑らかに器用に動いている仕組みを理解することにある。これは大きく、科学的な挑戦だ」と述べた。

 ボストン・ダイナミクスは1992年に設立され、2013年に米グーグル(Google)に、その後2018年にはソフトバンクグループ(SoftBank Group)に買収された。(c)AFP/Jules BONNARD