【11月8日 AFP】沈没船から酒を回収することを専門とするスウェーデンのグループ「オーシャンX(Ocean X)」が、第1次世界大戦(World War I)時にバルト海(Baltic Sea)で沈没した貨物船「カイロス(Kyros)号」から瓶入りの酒900本を回収したと発表した。

 カイロス号は1917年5月にスウェーデンを出港。帝政ロシアに向かったが、ドイツの潜水艦に撃沈された。

 酒は10月22日、スウェーデンとフィンランドの間にあるオーランド海(Sea of Aland)の水深約70メートルの海底から引き揚げられた。900本のうち600本がコニャック、300本は薬草系リキュールのベネディクティンだった。

 ペーテル・リンドベリ(Peter Lindberg)氏率いるチームによると、中身の酒とコルクの間に空気の層が残っていたことから、液漏れはないとみられる。多くのコニャック瓶の口は、薄いブリキ製のキャップで密封されていた。

 リンドベリ氏は、引き揚げた酒をこれまでと同様、国際的な競売にかける方針だ。高値での落札を期待しており、「自分用に1本残すことができるかどうかは分からない」とコメントした。

 映像前半は回収作業の様子、10月16~18日撮影・提供。後半は回収された瓶入りの酒を見せるリンドベリ氏、5日撮影。(c)AFP/Tom LITTLE