【11月7日 AFP】米司法省は6日、交流サイト(SNS)大手の米ツイッター(Twitter)の元従業員2人を含む男3人を、サウジアラビア王家に批判的なツイッターユーザーに対するスパイ行為などで米サンフランシスコの連邦裁判所に起訴したと発表した。

 起訴されたツイッター元従業員はサウジ国籍のアリ・アルザバラ(Ali Alzabarah)被告(35)と米国籍のアフマド・アブアモ(Ahmad Abouammo)被告(41)。訴状によると、2人は2014~15年に、従業員の立場を利用してサウジ当局に批判的なツイッターアカウントの個人情報を入手する情報提供者になったという。

 もう一人は、サウジ王室とつながりのあるサウジ国籍のマーケティング会社役員、アフメド・アルムタイリ(Ahmed Almutairi)被告(30)で、アルザバラ、アブアモ両被告とサウジ当局者との接触を取り持つ重要な仲介役を担っていたとされる。

 3人はサウジ政府と王室のため、反体制的なツイッターアカウントの所有者の身元を特定しようと共謀していた疑いがもたれている。

 訴状によれば3人は、あるサウジ当局者の指示を受けて動いていた。この当局者は、検察が「王族その1(Royal Family Member-1)」と呼ぶ人物のために活動していたとされ、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)はムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)のことだと報じている。

 訴状はまた、アルムタイリ被告が経営権を所有するソーシャルメディアマーケティング企業が、サウジ王室の慈善事業や「王族その1」を含む複数のサウジ王族の業務を請け負っていたと指摘。一方、アブアモ被告はスパイ活動に対する報酬として、30万ドル(約3300万円)超の現金と時価2万ドル(約220万円)超相当の高級腕時計を受け取ったとしている。(c)AFP