【11月7日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席と、同国を訪問中のフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は6日、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」に関する共同声明を出し、同協定は「不可逆的」であると宣言して結束をアピールした。

 パリ協定をめぐっては、米国が4日、国連(UN)に対し離脱を正式に通告。気候変動の影響が出ているにもかかわらず、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が離脱を決めたことに、各国は遺憾と懸念を表明している。

 習氏とマクロン氏は共同声明で、パリ協定は「不可逆的なプロセスであり、気候に関する断固とした行動の指針」であるという見方を示し、同協定への強い支持を再確認した。

 豪壮な人民大会堂(Great Hall of the People)での会談の後、習氏の隣に座ったマクロン氏は、米国への直接的な言及は避けつつも「他者らの選択は遺憾だ。だが私は、それらをごく少数派の選択だと思いたい」と述べた。

 さらに、欧州連合(EU)、中国、ロシアはパリ協定を支持しており「1、2か国の孤立した選択は、世界の大きな流れを変えるには不十分だ」とマクロン氏は続けた。

 一方習氏も、昨年貿易戦争に乗り出し、さまざまな外交問題で中国政府をいら立たせてきた米国を暗示するかのように「われわれは相互の尊重と公平な待遇を呼び掛け、弱肉強食の法則と威嚇行為には反対する」と指摘した。

 中国は世界最大の温室効果ガス排出国であり、同国の気候変動対策は鍵となる。

 習氏は国際社会に向けて「われわれは、人類共通の利益より国益を優先させようとする動きに反対する」と話し、「母なる星、地球を共に守ろう」と訴えた。(c)AFP/Jerome RIVET