【11月7日 AFP】不適切な組織運営や職権乱用の疑惑が浮上し、内部監査の対象になっていた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のピエール・クレヘンビュール(Pierre Krahenbuhl)事務局長が辞任した。国連(UN)が6日、発表した。

 内部監査報告書によると、米国が昨年金銭支援を全面的に打ち切ったことで財政危機に直面しているUNRWAには、不適切な組織運営と職権乱用が行われていた疑惑がかけられている。

 これに先立ち、アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は、クレヘンビュール氏による「詐欺行為や運営資金の不正流用」はなかったことが予備調査で明らかになったと発表していた。

 監査報告によると、疑惑の中には、UNRWAの最高幹部が「私利私欲のために性的不品行や縁故主義、報復や差別などの職権乱用に携わり、正当な反対意見を抑圧したり、個人的な目的を達成したりしていた」というものもある。

 クレヘンビュール氏に関しては2015年、恋愛関係にあった同僚を、「極端な速さ」の出世プロセスを経て、新設したシニアアドバイザーに登用した疑惑がかけられている。(c)AFP