【11月7日 AFP】ラグビー南アフリカ代表の「ビースト(野獣)」ことテンダイ・ムタワリラ(Tendai Mtawarira)が6日、母国代表からの引退を表明した。2日に行われたラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)決勝で、母国がイングランドに32-12で勝利した4日後のことだった。

 スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)のムタワリラは、母国が8強止まりとなった2011年大会と準決勝敗退に終わった2015年大会に続き、今回が3度目のW杯出場となった。決勝では先発出場を果たし、後半早々にはスティーブン・キツホフ(Steven Kitshoff)と予定通りに交代し、自身最大の目標を達成した。

 ジンバブエ出身で34歳のムタワリラは、2008年の代表デビュー以来、ルースヘッドプロップとしてプレーし、スプリングボクスとしてはビクター・マットフィールド(Victor Mayfield)氏とブライアン・ハバナ(Bryan Habana)氏に次いで歴代3位の通算117キャップを記録した。

 そのパワフルなスクラムとルースプレーでは、母国サポーターから「ビースト、ビースト、ビースト」の大合唱を引き出した。南アフリカでは多くのラグビー選手がニックネームを持っているが、「ビースト」と呼ばれるのはトップレベルの一握りに限られている。

  ムタワリラは南アフリカラグビー協会(SARU)が発表したコメント文で、「この素晴らしいラグビーがプレーできたこと、そしてシニアとしてこの12年間でキャリアの目標を達成できたのは誇りだった」と語った。

「この数年間、多くの勝利を達成してきたチームの一員であったことに感謝している。永遠に抱き続ける思い出がたくさんある」「(だけど)正直な気持ちとして、W杯優勝は完璧なエンディングであり、予想外のおまけだ」 (c)AFP