【11月6日 CNS】北京時間11月5日午前1時43分、中国・西昌(Xichang)衛星発射センターから長征3号乙運搬ロケットを使用し、49基目の北斗測位衛星が打ち上げられた。衛星の打ち上げ成功は、北斗3号システムの3基のIGSO衛星(傾斜対地同期軌道衛星)がすべて打ち上げ完了し、2020年北斗3号の世界ネットワーク構築へ確かな一歩が記された。

 北斗3号測位衛星システムは、MEO衛星(地球中円軌道衛星)、GEO衛星(地球静止軌道衛星)とIGSO衛星(傾斜対地同期軌道衛星)の3種の異なる軌道の衛星から成り立ち、MEO衛星24基、GEO衛星3基、IGSO衛星3基を含む。

 49基目の北斗測位衛星の打ち上げ成功は、2020年北斗3号の全世界ネットワーク構築へ重要な一歩となった。同衛星の総設計者である陳忠貴(Chen Zhonggui)氏によると、49基目の北斗測位衛星と、2基のIGSO衛星と異なる点は、高精度の水素原子時計とルビジウム原子時計を搭載しているほか、試験用の新型原子時計を搭載しており、時間精度を一層引き上げることが可能。軌道検証が完了後、衛星の次段階の時間精度の向上のための基礎を築いたと言える。

 2017年11月5日、北斗3号の1基目の衛星が空に飛び立ち、北斗システムの新時代の幕開けとなった。2年の間、北斗プロジェクトの7大システムには、300を超える企業・機構が参加し、数万人の科学者が16回の衛星打ち上げに携わり、24基の北斗3号のネットワーク衛星と2基の北斗2号のスペア衛星を予定の軌道に送り出した。

 北斗3号システムの建設は現在、最後の追い込み段階に入った。今後は6基の北斗3号ネットワーク衛星の打ち上げを行い、北斗全世界システムが完成する。

 今回打ち上げた北斗測位衛星と運搬ロケットは、それぞれ中国航天科技集団傘下の中国空間技術研究院(China Academy of Space Technology)と中国運搬ロケット技術研究院(China Academy of Launch Vehicle Technology)により製造されたもので、長征シリーズの運搬ロケットとしては317回目の飛行だった。(c)CNS/JCM/AFPBB News