【11月6日 CNS】中国・湖北省(Hubei)神農架国家公園(Shennongjia National Park)管理局の科学研究院が撮影した赤外線カメラの画像データの中に、真っ白なアルビノ(先天性色素欠乏症)の動物と思われる映像が残っていた。調べた結果、この野生動物は珍しいアルビノのキョン(シカ科ホエジカ属に分類されるシカの一種)であることが先日確認された。

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 映像は神農架の官門山(Gongmenshan)保護センターの管轄区内で撮影されたもので、赤外線カメラは5月29日の夕方頃、初めてアルビノのキョンと普通のキョンを同時に同じアングルで捉えた。

 2頭には顕著な色差が認められ、アルビノのキョンの特殊性が表れていた。ただし、2頭のキョンは赤外線カメラの後ろの左側からカメラの範囲に入り、後ろ姿しか写っていなかった。それから半月後の6月13日午後3時、アルビノのキョンは再度カメラの前に現れ、4秒にわたり正面からカラーで写っていた。

 神農架は中国で初めて国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)から生物圏保存地域(Man and BiosphereMAB)、世界地質公園(National Geoparks)、世界自然遺産(World Natural Heritage)の3種類の世界レベルの認証を受けたエリアだ。「北緯31度の緑の奇跡」、「天然物種の遺伝子プール」とたたえられ、その独特な地形と気候は、古くからの残存生物や絶滅危惧種や、特殊な物種の避難所となっている。

 1950年代以来、神農架ではクマ、タケネズミ、マエガミジカ、などの多くのアルビノ動物が相次いで発見されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News