【11月6日 AFP】大気汚染が近年で最悪レベルになっているインドの首都ニューデリーで4日、当局は車のナンバーによる通行規制を実施した。ナンバープレートの末尾の数字が奇数か偶数かで、1日ごとに市内を通行できる車の数を制限する。

 人口2000万人規模の巨大都市ニューデリーでは、大気汚染の水準が中国・北京の3倍以上に達している。ニューデリーから南に250キロ離れた17世紀の象徴的な大理石の墓、タージマハル(Taj Mahal)付近には、空気清浄機を搭載した車を停車させ、周辺の大気汚染の改善を試みた。

 病院には呼吸器の異常を訴える人が殺到。空港では3日、視界の悪化により37便が行き先の変更を余儀なくされた。

 新規制の導入に伴い、市内各所の交差点では600グループ以上の警官が動員された。規制に違反した場合、運転手は4000ルピー(約6000円)の罰金を科される。

 しかしニューデリーを走る700万台のバイクとスクーター、公共交通機関、女性のみが乗車している車は車両規制の対象外になっており、大気汚染改善の効果はないとの批判が噴出している。

 映像はタージマハルを訪れたマスク姿の観光客ら、5日撮影。(c)AFP/Glenda KWEK