【11月6日 AFP】エボラ出血熱の流行に見舞われているコンゴ民主共和国では、今年1月1日から医療関係者を狙った襲撃が300件以上発生しており、医療スタッフや患者ら6人が死亡、70人が負傷した。同国の保健省が4日、報告した。

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 同国は2018年8月、紛争で荒廃した東部の北キブ(North Kivu)州、南キブ(South Kivu)州、イトゥリ(Ituri)州で、エボラ出血熱の集団感染を宣言した。これらの州はウガンダ、ルワンダ、ブルンジと国境を接している。

 コンゴでは10回の集団感染が発生し、最新の公式統計では、これまでに2185人が死亡。記録上では、2014~16年に1万1300人以上が死亡した西アフリカでの流行に次ぐ深刻な事態となっている。

 一方で医療関係者らは、襲撃や脅迫にも直面している。直近では3日未明、エボラ関連情報の拡散を手伝ったコンゴ人のラジオ番組司会者が、イトゥリ州の自宅で刺殺される事件が起きた。

 4月には北キブ州の病院が襲撃され、世界保健機関(WHO)から派遣されていたカメルーン人の医師が射殺された。

 保健省は、医療チームは襲撃のたびに活動予定だった地域に入ることができず、エボラとの闘いは先延ばしにされていると警鐘を鳴らした。(c)AFP