【11月6日 AFP】「クラミジアに感染した原因は?」「これってヘルペス?」──米国の交流サイト(SNS)、レディット(Reddit)で、見知らぬ人に性感染症に関する診断を頼る人々が増えているとした新たな調査結果が5日、米国医師会雑誌(JAMA)に発表された。同研究では、こうした現象を「集団診断」と呼んでいる。

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 米カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)の研究チームは、レディットの性感染症スレッドに書き込まれた1万7000件の投稿を調査。ランダムに選んだ500件の投稿を分析した結果、58%が明確に集団診断を求めていた。また31%には、症状の写真が添付されていた。

 診断を求める投稿をした5人に1人が、医師の診断を受けた後にセカンドオピニオンを得ようとするユーザーだった。中には、エイズウイルス(HIV)で陽性の結果が出た後に、レディットのユーザーに意見を求める投稿者もいた。

 この論文の共著者でカリフォルニア大学サンディエゴ校の疫学者、ジョン・エアーズ(John Ayers)准教授は「誰もが常にドクター・グーグル(Google)について話している」と述べ、「だが実際、オンライン上の情報検索は、もはや単なるインターネット利用とは別物だ。こうしたユーザーは、現実の人々との現実のやりとりを求めている」と指摘した。

 しかし問題は「集団診断が、現在そうであるように、広範囲において不正確で危険であるにもかかわらず、だからと言ってソーシャルメディア上で診断を求める多くの人々により良い方法を取らせることが不可能」なことだという。

 そこでエアーズ氏のチームは、ソーシャルネットワーク上で医療専門家らがまず最初の診断を行い、それからユーザーにクリニックや電話で受診ができる場所を紹介するといった将来図を描いている。(c)AFP