【11月5日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は5日、上海で開幕した「中国国際輸入博覧会(International Import Expo)」の開会式で演説し、中国経済のさらなる開放を約束するとともに、国際社会に「保護主義や一国主義に断固として反対し、継続して貿易障壁を取り除く」よう訴えた。

 習氏はまた、国際社会は「壁を作るのではなく、壊し続ける」必要があると主張。前日にインドが不参加を表明した東アジア地域包括的経済連携(RCEP)については「近いうちに合意がなされ、発効されることを望む」と述べた一方、米中貿易戦争への言及は避けた。

 さらに、中国が各国と自由貿易協定を結ぶことに前向きな姿勢も示し、欧州連合(EU)との投資協定や日韓との協定についても協議を加速させていく意向を示した。

 中国の国内市場をめぐっては政府に手厚く保護され過ぎているとの批判もあり、昨年に続き開催された今回の輸入博では中国政府が市場開放への意欲をアピールする狙いがある。

 ただ、欧米の企業団体などはあまり関心を示しておらず、中には中身のないプロパガンダだと手厳しい評価をする企業もある。

 輸入博にはフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領も出席。マクロン氏は習氏の基調講演後に登壇し、米中貿易戦争について「敗者しか生み出さない」と指摘し、世界経済の成長を妨げていると批判した。(c)AFP