【11月5日 AFP】ドイツの首都ベルリンをかつて東西に隔てていた検問所「チェックポイント・チャーリー(Checkpoint Charlie)」の跡地で、「米兵」2人との記念撮影が今後一切できなくなる可能性がある。

 大衆紙ビルト(Bild)が4日に報じたところによると、軍服を着て観光客と記念撮影をして料金を請求していた業者に対し、業務停止命令が出された。「寄付」に応じなかった観光客を口汚くののしっているのが発覚したことを受けての措置。

 兵士役を演じてきた俳優集団「ダンス・ファクトリー(Dance Factory)」のリーダー、トム・ルスツァイト(Tom Luszeit)氏はビルトに対し、突然の業務停止命令のために「同僚6人を解雇」せざるを得なかったとした上で、「でも私たちは諦めない。あそこに戻りたい」と語った。

 ビルトによると、記念撮影はとにかく実入りの良い商売で、多い時には1日5000ユーロ(約60万円)を稼ぐこともある。

 チェックポイント・チャーリーでは1961年10月、米ソの戦車が対峙(たいじ)し、東西冷戦(Cold War)でも特に緊迫した事態となった。しかし1990年に東西ドイツが統一して以降は、記念撮影業者や旧ソ連軍の毛皮の帽子やガスマスクの模造品を売る業者により、歴史のテーマパークと化した。(c)AFP