【11月5日 AFP】イランと米国の国交断絶の契機となった1979年の米大使館人質事件発生から4日で40年となるのを前に、現場となったイラン首都テヘランの旧米大使館で2日、反米思想を描いた新たな壁画が公開された。

 倒壊しかけた自由の女神像(Statue of Liberty)や、撃墜された米国の無人偵察機、血の海に浮いた頭蓋骨などの絵には、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領期に再燃した激しい反米感情がはっきりと表れている。

 旧米大使館の外壁に描かれたこの政治的な絵は、イラン革命防衛隊(IRGC)のホセイン・サラミ(Hossein Salami)司令官が、テレビ中継された式典で公開した。イランは旧米大使館を「スパイの巣窟」と呼んでいる。

 1979年11月4日、米国が支援したパーレビ(Mohammed Reza Pahlavi)王政の崩壊から9か月にもならなかった当時、学生たちが米大使館を占拠し、米国でのがん治療を認められたパーレビ元国王の引き渡しを要求した。

 学生たちは444日間にわたって大使館職員ら米国人52人を拘束。米国は翌80年にイランとの国交を断絶し、以降2国間では冷え切った関係が続いている。(c)AFP/Amir Havasi