【11月5日 Xinhua News】人工知能(AI)向けオープンソース・オープンプラットフォーム「天枢(てんすう)」が2日、中国浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)で発表された。高性能コアフレームワークを備えたワンストップ型の全機能搭載AI開発キットとして、AI技術の研究開発効率を高め、アルゴリズムモデルの応用範囲を広げ、AIによる生態系を構築することが期待される。

「天枢」はAIなどの研究開発を行う之江実験室が主導し、浙江大学(Zhejiang University)やアリババグループ(Alibaba Group)など複数の機関が共同で開発した。高性能フレームワークが中心的な強みで、完全な並列モデルと、自動配列・処理、高い運用効率と安定性の良さなどの特長がある。

 天枢のシステムアーキテクトの単海軍博士は「フレームワークは建築における地盤のようなもので、『天枢』の高性能コアコンピューティング・フレームワークは、AI開発者を強力かつ安定的にサポートする」と述べた。また、顔認証を例にして、「天枢」はデータ並列とパターン並列および混合並列に対応しており、セキュリティー領域では既に1000万件レベルの顔認識モデルトレーニングを実施し、しかもリソースの使用率は既存のオープンソース・フレームワークの平均レベルを上回ったと説明した。

 天枢は視覚、交通、金融、都市、医療、ロボットの6大スマート分野を主な対象とし、アリババクラウド(Alibaba Cloud)、海康威視(ハイクビジョン、Hikvision)など、第1期の提携企業48社とともにAIによる生態系を構築していく。同生態系への参加企業はプラットフォームの共同開発やオープンソース・イノベーションなどを通じ、各業界へのAI技術応用の浸透を図る。(c)Xinhua News/AFPBB News