【11月4日 AFP】香港で3日夜、デモ参加者らが集まるショッピングモールの外で刃物を持った男が暴れ回り、少なくとも5人が負傷した。負傷者のうち、地元の民主派政治家が耳をかみ切られた。政治不安が続く香港で、新たな混乱の一日となった。

 この日の午後、香港各地のショッピングセンター内でフラッシュモブの集会が行われ、機動隊との衝突が頻繁に発生していた。

 目撃者が地元メディアに語ったところでは、デモ隊が集まっていた中流階級地区の太古城(Tai Koo Shing)のショッピングモールの外で、北京語を話す男が親中国派のスローガンを叫んだ後、刃物で人々を襲撃し始めた。北京語は中国本土で話される言語で、香港では通常、広東語が話されている。

 生配信された映像では、民主派の地元議員、趙家賢(アンドリュー・チウ、Andrew Chiu)氏が男を取り押さえようとしたところ耳をかみ切られ、意識を失った別の男性が大きくなる血の海の中で倒れ、周囲の人たちが必死で背中の傷口を押さえている様子が見られた。

 グレーのTシャツを着た襲撃者は群衆から袋だたきに遭い、警察と救急作業員らが駆けつけたときには血まみれになっていた。

 病院当局によると、負傷者は男性4人と女性1人の計5人。2人は重体で、2人が重傷、1人は安定した状態にある。(c)AFP/Su Xinqi and Jerome Taylor