【11月5日 Xinhua News】中国科学院上海薬物研究所は2日、同研究所と中国海洋大学(Ocean University of China)、上海緑谷製薬が開発したアルツハイマー病の新薬が、中国国家薬品監督管理局の承認を得たことを明らかにした。軽度から中等度のアルツハイマー病患者の認知機能改善に使用される。同新薬は世界で初めて市場に投入され、患者に新たな治療の選択肢を提供する。

「九期一」(ナトリウム・オリゴマニュラレート、GV-971)と名付けられた新薬は、同研究所の耿美玉(Gen Meiyu)研究員率いる研究チームの22年にわたる研究と、同研究所および中国海洋大学と上海緑谷製薬との継続的な研究努力により完成した。 

 3段階(第1~3相)の臨床試験には計1199人の患者が参加した。うち第3相臨床試験は上海交通大学医学院附属精神衛生センターと北京協和医院が主導し、全国34カ所の三級甲等病院(最高レベルの大病院)で実施。計818人の患者の服薬経過を観察した。臨床試験全体の管理は、世界的に有名な新薬研究開発サービス請負企業IQVIAが担当した。

 36週間の第3相臨床試験の結果、同薬は軽度から中等度のアルツハイマー病患者の認知機能障害を有意に改善することが示された。プラセボ群(無治療群)との比較で主要治療効果指標の認知機能は大幅に改善が見られ、評価尺度は2.54ポイント(P<0.0001)改善した。有害事象発生率はプラセボ群と同等だった。(c)Xinhua News/AFPBB News