【11月2日 AFP】インド北東部マニプール(Manipur)州の反体制派の政治指導者らは先月29日、インドからの独立を一方的に宣言し、英国で亡命政府を樹立すると発表した。

 かつて藩王国だった同州は、インドが英国から独立を勝ち取った2年後の1949年にインドの統治下に入ったものの、それ以降、暴力沙汰を伴う分離独立運動が数十年にわたり続いている。

「マニプール国家評議会(Manipur State Council)」と称した組織で対外担当相を務めるナレンバム・サマルジット(Narengbam Samarjit)氏は、英ロンドンで開かれた記者会見で、亡命政府は国連(UN)の承認を目指していくと表明。

 サマルジット氏は、マニプール州で2012年に初めて表明された独立宣言書を読み上げると、「本日からここで、正統な亡命政府を運営していく」と述べ、「国連の加盟国になるため、さまざまな国に承認を求めていく。多くの国がわれわれの独立を承認してくれるよう願っている」と訴えた。

 さらに同氏は、独立の大義を世界が支持するよう願うと話し、「(インドでは)自由がなく、われわれの歴史は破壊され、われわれの文化が消滅に向かっている」と警告。

「だから国連は耳を傾けるべきだ。全世界に向けて、マニプールで暮らす人々は人間なのだと訴える」と話した。

 AFPはインド高等弁務官事務所(High Commission of India)に対してコメントを求めたが、これまでのところ回答は得られていない。

 人口わずか280万人ほどのマニプール州は、インドにおける最小規模の州で、セブンシスターズ(Seven Sisters)と呼ばれる、抗争が続く北東部諸州の一つ。

 ミャンマーと国境を接する同州では、数十年にわたって暴力沙汰が日常と化しており、インドの軍部隊が強力な存在感を示してきた。

 州内には多様な民族が混在しており、メイテイ(Meitei)やナガ(Naga)、クキ(Kuki)、パンガル(Pangal)といった民族のコミュニティーはいずれも、文化的な独自性の維持に注力している。(c)AFP