【11月2日 AFP】インド北東部アッサム(Assam)州ゴアルパラ(Goalpara)地区で1日、はぐれゾウによって10月29日に村人5人が殺されたことを受け、森林当局がこのゾウを封じ込める大規模な作戦を実施した。

 AFPの電話取材に応じた同地区の村人、ラジェン・ラブハ(Rajen Rabha)さんによると、この雄のゾウは、地元住民からは、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の創設者、故ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者にちなみ、ラディンと呼ばれている。ラディンは以前から人を殺したり、村を襲ったり、水田を荒らしたりしていたという。

 ラブハさんによると、森林当局は飼い慣らしたゾウの部隊を使い、安全な距離からラディンを監視している。アッサム州森林当局が公開した写真からは、ドローンも投入されていることが確認できる。

 ゾウ本来の生息地が縮小する中、今年6月に発表された公式統計によると、インドでは過去5年間に2300人近くがゾウに踏み殺されている一方、2011年以降、700頭のゾウが人間に殺された。

 アッサム州の森林相によると、地元住民の安全だけではなくラディンにとって安楽な生活を考慮した上で、野生生物の専門家を含む8人から成る委員会が今後の対応を決めるという。森林相は、「このゾウの処遇はまだ決めていないが、鎮静剤を打ち、近くに人が住んでいない森に運ぶべきだという意見もある」と語った。(c)AFP