【11月2日 AFP】トルコ軍は1日、シリア北部の対トルコ国境地帯で、クルド人勢力が撤退したか確認するためロシア軍との合同パトロールを開始した。

 トルコとロシアは先月22日、ロシア南西部ソチ(Sochi)で行った首脳会談で、クルド人勢力に撤退のため150時間の猶予を与えるとともに、両国が合同パトロールを実施することで合意していた。

 ロシアは、クルド人勢力の撤退はすでに完了したとしている。

 国境のトルコ側にいるAFPの記者によると、1日の合同パトロールはトルコ国境に近いシリア北部の町ダルバシヤ(Derbasiyeh)でグリニッジ標準時(GMT)午前9時(日本時間同日午後6時)ごろ始まり、同午後1時15分(日本時間同10時15分)ごろ終わった。

 トルコ軍筋は、両国軍の車両が車列を組んでダルバシヤの東に向かったと語った。ロシア軍は、装甲兵員輸送車1台に護衛された車両9台が110キロ以上にわたってパトロールを実施したと発表した。上述のAFP記者によると、ロシア側の求めに沿って、いずれの軍の車両も自国の国旗を掲げなかった。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は先月、シリア北部から米軍を撤収させると発表。米軍は先月31日、トランプ大統領による撤収の発表後としては初めて、トルコ国境に近いシリア北東部の町カハタニヤ(Qahtaniyah)の北でパトロールを実施していた。

 トルコとロシアが合同パトロールを開始したことで、この地域での各国軍の活動はいっそう複雑な様相を呈する形になった。(c)AFP/Delil Souleiman with Mahmut Bozarslan in Kiziltepe