■「なぶり殺し」

 メコン川は源流をチベット高原に発し、中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを流れており、その沿岸で漁業や農業を営む数千万人の生活を支えている。

 専門家らは、中国とラオスのダム建設熱がメコン川の枯渇を悪化させたとしている。「これがメコンをなぶり殺しにしている」と、「The Last Days of the Mighty Mekong(雄大なるメコン川の最後の日々)」の著者ブライアン・エイラー(Brian Eyler)氏は述べる。同氏は、メコン川下流は来年再び雨が降るまで「危機的状況」になると警告している。

 発電量1285メガワットのサヤブリダムを開発したCKパワー(CKPower)は、タイの建設大手チョーカンチャン(CH Karnchang)の子会社で、電力の大半はタイに輸出される。だが、タイの人々はダム建設に反対していた。

 CKパワーはAFPの取材に応じなかった。

 同社はクリーンで持続可能なエネルギーを推進すると宣伝している。だが、同社は7月、サヤブリダムによってタイ東北部のメコン川の水が枯渇するかどうかを調べる試験の実施を拒否した。(c)AFP