【11月1日 AFP】米下院は10月31日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の弾劾手続きを前進させる決議案を初めて可決し、トランプ氏の汚職疑惑調査を公に進める新たな段階を正式に開始した。

 米議会でトランプ氏の最大の政敵である民主党幹部のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は採決の直前、議員らに対し「下院はきょう、公聴会開催の手続きを規定することで、次の段階へと前進する。(中略)これにより、一般市民が自分の目で事実を確かめることが可能となる」と表明。「ここで問われているのは、われわれの民主主義にほかならない」と語った。

 決議案は、今後の弾劾手続きの段取りを規定する内容。同日朝に行われた採決では、民主・共和両党の議員がそれぞれ自党の方針に従って票を投じ、賛成232、反対196で議決案は可決された。

 弾劾調査開始のきっかけとなった疑惑では、トランプ氏が来年の大統領選での民主党候補として有力視されているジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領の汚職疑惑調査を行うようウクライナに圧力をかけるため、同国への軍事援助を保留した疑いがかけられている。事実ならば、米国の外交政策を利用して自身の政治的利益を追求する違法な脅迫行為となる。

 トランプ氏は弾劾調査について、違法で政治的動機に基づいていると繰り返し主張しており、下院での決議案可決にも即座に反応。「米国史上最大の魔女狩りだ!」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP/Paul Handley and Michael Mathes