【10月31日 AFP】ポーランド東部コロシュチン(Koroszczyn)で、隣国ベラルーシへの入国を拒否されたトラックから、劣悪な環境下で衰弱したトラ10頭が保護された。このうち生き残った9頭について、西部ポズナニ(Poznan)の動物園は30日、受け入れを発表した。

 トラはイタリアからロシアまで移送される途中で、22日にローマ近郊を出発。26日にポーランド・ベラルーシ国境を通過しようとした際、トラック運転手らの提出した獣医師の書類に不備があるのをベラルーシの税関当局が発見し、足止めされた。さらに、運転手のうち1人はベラルーシへの入国ビザが失効していたという。

 こうして、トラは「悪夢」のような環境下に放置されることとなった。ポズナニの動物園はフェイスブック(Facebook)の公式ページで、「トラは皆、非常に衰弱している。命を救うための闘いが始まった。だが、何頭生き残るかは分からない」と発表した。

「現地に到着した当動物園の職員が見たのは、紛れもない悪夢だった。体毛はふん尿まみれで、トラたちは疲弊し、腹をすかせていた。獣医師は、トラの健康状態は悲惨だと言っている」と同園の投稿は続いている。

 現地報道によると、トラはイタリアの繁殖施設からロシア・ダゲスタン(Dagestan)共和国の動物園に寄贈される予定だったという。(c)AFP