【10月31日 AFP】若い女性患者が脳外科手術を受けながら、はっきりと意識を保って施術中の医師と会話する様子が29日、フェイスブック(Facebook)上で生中継された。40分間の動画の視聴者数は、30日までに世界で10万人近くに上っている。

 手術を受けたのは米イリノイ州在住のジェナ・シャルト(Jenna Schardt)さん(25)。テキサス州にあるメソジスト・ダラス・メディカルセンター(Methodist Dallas Medical Center)のニメシュ・パテル(Nimesh Patel)神経外科部長によると、左側頭葉の血管に血栓ができて脳梗塞を患い、言語障害が出ていた。

 病院の公式アカウントで公開された動画には、外科手術用マスクをした医師らが施術する中、シャルトさんが青い手術用カーテンを挟んで医師らと会話する様子が映っている。

 パテル医師によれば、開頭手術中もシャルトさんが意識を保っていたおかげで、医師らは脳の言語をつかさどる部分を傷つけていないことを確かめつつ手術を進められた。医師らはシャルトさんに鳥や犬などの単語や数字を言ってもらい、脳の「地図」を作成したという。

 これについてパテル医師は、「血栓にアプローチし除去する方法を特定するため、(脳内の)安全な部分を見つけ出す必要があった」と説明した。4時間半に及ぶ手術の中では、シャルトさんの愛犬に関する質問を投げ掛け、記憶に障害が出ていないか確認する場面もあったという。

 シャルトさんは作業療法士を目指しており、自身の手術の様子を生中継することで視聴者の理解促進に生かしたいと希望したという。シャルトさんは31日朝に退院できる見込み。(c)AFP