【10月31日 AFP】19MLBは30日、ワールドシリーズ(7回戦制)の第7戦が行われ、ワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)は6-2でヒューストン・アストロズ(Houston Astros)に逆転勝ちし、球団初、また米首都ワシントンのチームとして1924年以来となる世界一に輝いた。

 ナショナルズは6回まで0-2とリードされていたが、アンソニー・レンドン(Anthony Rendon)とハウイー・ケンドリック(Howie Kendrick)の本塁打で逆転し、シリーズ戦績4勝3敗で優勝を果たした。北米メジャースポーツのプレーオフシリーズ(7回戦制)でロードチームが全勝するのは、これが史上初の出来事となった。

 モントリオール・エクスポズ(Montreal Expos)として誕生し、2005年シーズンからワシントンに移転したナショナルズは、創設50年で初の栄冠。アストロズが今季最多のレギュラーシーズン107勝を記録して優勢とみられていた一方で、ナショナルズはレギュラーシーズンの終盤にやっとプレーオフ進出を決めていたほか、(ナショナルズとしては)これまでプレーオフのシリーズを勝ち抜いたことは一度もなかった。

 そうした前評判とは裏腹に、今回のワールドシリーズでは予想外の展開や多くのドラマが生まれた結果、ナショナルズは負けたらシリーズ敗退が決まる試合で5戦全勝を飾り、アストロズのここ3シーズンで2度目のタイトル獲得を阻止した。

 アストロズはユリエスキ・グリエル(Yuli Gurriel)の先制ソロ本塁打と、カルロス・コレア(Carlos Correa)の適時打で2-0のリードを築くと、先発投手のザック・グレインキー(Zack Greinke)もナショナルズ打線を翻弄(ほんろう)し、6回3分の1を投げて2安打に抑える好投を見せた。

 しかし、ナショナルズは7回にヒューストン出身のレンドンがグレインキーのチェンジアップを左翼スタンドにたたき込むと、続くフアン・ソト(Juan Soto)も四球で出塁。これでグレインキーを降板させると、マウンドを継いだウィル・ハリス(Will Harris)の速球をケンドリックが打ち返し、これが右翼ポール直撃の2点本塁打となってナショナルズが勝ち越した。

 さらに8回には、四球を選んだアダム・イートン(Adam Eaton)が二塁へ盗塁した後、ソトの単打で生還。そして9回には、満塁の場面でイートンがダメ押しの2点適時打を放ち、これでアストロズの命運が尽きてしまった。

 ナショナルズは、先発のマックス・シャーザー(Max Scherzer)からマウンドを引き継いだパトリック・コービン(Patrick Corbin)が3回を無失点に抑えると、最後はダニエル・ハドソン(Daniel Hudson)が9回をしっかり押さえて勝利を収めた。

 シリーズ最優秀選手(MVP)には、第2戦と第6戦で勝利投手となり、今ポストシーズンで5勝0敗の成績を収めたナショナルズの投手スティーブン・ストラスバーグ(Stephen Strasburg)が選ばれている。(c)AFP/Jim SLATER