【10月30日 AFP】英南東部エセックス(Essex)州でトラックから39人の遺体が見つかった事件で、同州の警察は29日、過失致死と人身売買の容疑で北アイルランド出身の兄弟を指名手配していると明らかにした。

 警察によると、指名手配されているのは北アイルランド南部アーマー(Armagh)出身のローナン・ヒューズ(Ronan Hughes)容疑者(40)とクリストファー・ヒューズ(Christopher Hughes)容疑者(34)。

 事件は23日に発覚。ベルギーからフェリーで到着した冷蔵コンテナから、女性8人と男性31人の遺体がトラックの冷蔵コンテナから見つかった。現在、複数のベトナム人家族が犠牲者の中に身内がいるかもしれないと名乗り出ている。

 捜査を率いるスチュアート・フーパー(Stuart Hooper)警視正は、「容疑者兄弟を発見し、取り調べをすることは捜査に不可欠だ」「2人は北アイルランドにいるとみているが、アイルランド共和国とも関わりがある」と説明した。

 事件ではトラックを運転していた北アイルランド出身のモーリス・ロビンソン(Maurice Robinson)被告(25)が39件の過失致死、人身売買の共謀、入国あっせん、不正資金洗浄の罪ですでに起訴されている。

 ロビンソン被告は28日、映像を介してエセックスの裁判所に出廷。11月25日にはロンドンの中央刑事裁判所(Old Bailey)に出廷する予定だ。

 また、事件に関わった疑いで38歳の男女と46歳の男が逮捕されたが、全員11月までの期限付きで保釈されている。(c)AFP