【10月30日 Xinhua News】第32回東京国際映画祭の提携企画として22日から開催されていた「2019東京・中国映画週間」が29日、閉幕した。最終日には千代田区・朝日ホールで第4回ゴールドクレイン賞の授賞式とクロージング映画の上映が行われた。ゴールドクレイン賞には今回の映画週間で上映された中国映画10作品の中から最優秀作品賞や最優秀監督賞など13の部門賞が選ばれた。

  閉幕式には、中国の郭燕(Guo Yan)駐日首席公使、日本の片山さつき(Satsuki Katayama)前地方創生担当相、日中文化交流協会副会長の栗原小巻(Komaki Kurihara)さん、および中日両国の映画界の代表者らが出席した。

 郭公使はあいさつで「中日関係は新たな起点に立っており、両国の文化交流も新たな機会を迎えている。両国の映画関係者がチャンスをつかみ、交流や協力を強化し、両国民の友好感情の増進という役割を果たすことを願っている」と述べた。

 日本の女優として今でも中国で高い知名度を誇る栗原さんは「映画交流は日中の相互理解を深める真の文化交流」と語り、映画や演劇を通じ中国と交流を重ねてきた一人として、文化交流と平和友好は日中関係の礎であり未来でもあるとの考えを示した。

  今年のゴールドクレイン賞は、芸術貢献賞に越劇映画「西廂記」、最優秀主演男優賞に「高度一万メートルの奇跡」の張涵予(Zhang Hanyu、チャン・ハンユー)さん、最優秀主演女優賞に「青雲 ~投げ出した人生の拾い方~」の姚晨(Yao Chen、ヤオ・チェン)さんが選ばれた。

  最優秀監督賞を受賞した郭帆(Guo Fan、グォ・ファン)監督の「流転の地球」はクロージング映画として上映された。郭監督はあいさつで同作品が7000人による4年間の絶え間ない努力の結晶だと紹介。これからの中日映画界については、意思疎通を深めれば友好の懸け橋を築けると期待感を示した。同作品は2月に中国国内で公開されると歴代3位の興行収入を記録。中国SF映画の新時代を切り開いたと評価されている。

  最優秀作品賞には「高度一万メートルの奇跡」が選ばれた。中国国内での評価も高く、公開28日間で28億元(1元=約15円)の興行収入を記録した。閉幕式の会場で話を聞いた50代の男性は「観ていて緊張した。本当に感動した」と賞賛。40代の女性は「すごい映画だった。観に来て良かった。もっと多くの日本人に観てもらいたい」と感想を語った。(c)Xinhua News/AFPBB News