【10月30日 AFP】(更新)英下院は29日、解散総選挙の12月12日実施を求めたボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相提出の法案を賛成438、反対20の賛成多数で可決した。首相は総選挙により、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)の3度にわたる延期につながった政治的行き詰まりの解消を目指す。

 英国での総選挙実施はここ4年で3回目となる。EUは英議会での法案採決に先立ち、英国の離脱日を1月末まで延期することを正式に受け入れていた。法案は30日に非公選制の上院で審議されるが承認される見通しで、議会は来週頭にも解散することになる。

 ジョンソン首相が率いる保守党は議会の過半数を確保していない少数与党。総選挙は首相にとって賭けとなるが、EUと2週間足らず前に合意した離脱条件が議会に拒絶されたことから、唯一残された選択肢となっていた。

 保守党は現在、世論調査で最大野党・労働党を大きく上回る支持を得ており、ジョンソン首相は選挙で下院の過半数の議席を確保し、自身のブレグジット案を押し通したい考えだ。だが、首相が公約に掲げていた10月31日の離脱実施を実現できなかったことは、EU懐疑派の有権者の反発につながる可能性がある。

 労働党はブレグジットをめぐる新たな国民投票の実施を求めている。一方で、その他の小政党2党はブレグジットの撤回を目指している。(c)AFP