【10月29日 AFP】男子テニス、世界ランク3位のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は28日、来年を見据えて自分の「ペース」をつくり出すために、仏パリのベルシー・アリーナ(Bercy Arena)で開催される今季最後のマスターズ1000(ATP Masters 1000)大会、パリ・マスターズ(Rolex Paris Masters 2019)の出場を見送った。

 現在38歳のフェデラーはコメント文を発表し、「パリ・マスターズを棄権しなければならないのは極めて残念」とすると、「できるだけ長くATPツアーでプレーするためには、自分のペースを維持しなければならない」「フランスのファンには申し訳ない。来年のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン〈French Open〉)で会おう」と説明した。

 四大大会(グランドスラム)通算20勝を誇る実力者は、27日のスイス・インドア(Swiss Indoors Basel 2019)決勝でアレックス・デミノー(Alex De Minaur、オーストラリア)を下し、故郷バーゼル(Basel)大会で通算10度目のタイトル獲得を果たした際に、「体調は良くて、感触に満足している」としながらも、「次週プレーするかは未定だ。チームと相談して決める」と話し、次戦の棄権を示唆していた。

 2015年以来の出場となった昨年のパリ大会では準決勝まで勝ち進み、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とのフルセットの激戦の末に敗退したフェデラーの次戦は、来月10日に開幕するシーズン最終戦のATPファイナルズ(ATP Finals 2019)となる。

 フェデラーの代わりにアンドレアス・セッピ(Andreas Seppi、イタリア)がラッキールーザーとして出場することになった今年のパリ・マスターズでは、ジョコビッチがトップシード、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が第2シードにつけている。

 同日に行われたシングルス1回戦では、マリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)が7-6(7-5)、6-4でポーランドのホベルト・ホルカシュ(Hubert Hurkacz)を下し、ノーシードとして早々に2回戦に進出した選手の一人となった。

 次戦の相手がグランドスラム通算3勝のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)に決まった元全米オープンテニス(US Open Tennis Championships)王者は、現在の世界ランキングが24位まで後退しており、今季のATPファイナルズ出場を逃している。

 同大会ではフランス勢最後の優勝者となっているジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga)は、ロシアのアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev)に1セットダウンとされながらも4-6、7-5、6-4で逆転勝ちを収めた。

 この日はジェレミー・シャーディ(Jeremy Chardy)とブノワ・ペール(Benoit Paire)のフランス勢も初戦を突破し、地元ファンを大いに沸かせた。(c)AFP/Jed Court