【10月30日 Xinhua News】中国の四川大学(Sichuan University)華西医院は25日、四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)で米メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)と「バイオ人工肝」の特許譲渡協定を結んだ。「バイオ人工肝」技術は肝不全の治療に応用されるもので、1~2年後の臨床応用開始が見込まれており、肝不全の治療費が6割以上引き下げられる。

 メイヨー・クリニックと中国内地の病院が同協定を結んだのは今回が初めて。双方は今後、引き続き協力を強化し、「バイオ人工肝」技術の臨床開発と市場販売を加速させ、より多くの肝臓病患者に恩恵をもたらしていく。

 四川大学華西医院病理研究室の包驥(Bao Ji)副研究員によると、中国で毎年新たに肝不全になる患者数は100万人を越えるが、現在はドナー不足のため、肝移植が受けられる患者は全体の2%以下で、多くの患者は従来の人工肝治療を受け、主に血漿(けっしょう)交換や機械的人工肝に頼っている。血漿の深刻な供給不足や機械的人工肝の機能が単一的などの問題があり、従来の治療法では患者の要求を満たすことは難しく、「バイオ人工肝」技術の出現がこうした課題を解決する可能性がある。

 包氏は「バイオ人工肝」システムの基本原理は、採取した肝細胞をバイオリアクターに入れ、半透膜を通じて患者の血漿と物質交換を行い、肝の部分合成や代謝分泌、解毒の機能をカバーすることで、一時的に肝機能を維持すると説明。肝移植を希望する患者がドナーを待つ貴重な時間を確保するほか、患者自身の肝機能回復を促すことで移植が不要になる場合もある。(c)Xinhua News/AFPBB News