【10月28日 AFP】インド南部で25日午後、2歳の男児が深さ26メートルの井戸に転落した。当局の発表によると、男児は事故発生から既に72時間以上が経過した28日になっても救出されておらず、救助隊は時間との闘いを強いられている。

 タミルナド(Tamil Nadu)州の自宅近くで遊んでいた男児は、直径30センチの井戸に転落した。

 熱感知カメラで男児の体温を観察しながら、パイプで酸素が送り込まれた。

 男児は27日朝の時点で、意識は不明ながら呼吸はしていたが、それ以降の状態は確認できていない。

 当局によると、男児は当初、地上から9メートル付近にとどまっていたが、その後直立姿勢のまま井戸の底まで落下したという。

 現場の地元当局者は「時間との闘いだ」と述べている。

 27日には救助隊が、石油掘削ドリルを使って井戸と平行に穴を掘り始めたものの、岩の多い地質で、地下約10メートルまで掘り進んだところでドリルが故障。

 その前日には、ロボット装置でロープをつり下げ、男児の手首にかけて引き上げる手法も試したものの、失敗に終わっていた。

 インドの地方部では、使われなくなった井戸がふさがれずに放置され、子どもが転落する事故が相次いで発生している。(c)AFP