【10月28日 AFP】米ワシントンで27日、大リーグのワールドシリーズを観戦したドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、スタンドの野球ファンから一斉にブーイングを受けた。

 トランプ氏はこの日、国防総省が長年追ってきたイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者の死を発表した後、メラニア(Melania Trump)夫人を伴い、ワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)とヒューストン・アストロズ(Houston Astros)によるワールドシリーズ第5戦を観戦した。

 だが3回が終わったところで、スタジアムのスクリーンに観戦に訪れた兵士の姿が映し出され、続けてすぐにトランプ氏の映像に切り替わると、声援を送っていた観衆は即座に大声で長いブーイングを浴びせた。

 映像が兵士に戻るとブーイングは収まったものの、今度は「やつを刑務所に入れろ!」のチャントが沸き起こった。このスローガンは16年米大統領選の際にトランプ氏の支持者の集会で、ライバルのヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏に対して叫ばれていたが、今ではトランプ氏自身に対してよく使われている。

 トランプ氏はこのところ、大統領の弾劾を目指す民主党の圧力と、シリア政策をめぐる与野党両方からの批判にさらされている。リベラル派が優勢なワシントンでの外出は珍しいが、トランプ氏の観戦について記者に尋ねられたワシントン・ナショナルズのデーブ・マルティネス(Dave Martinez)監督は、「(チーム内では)あまり話題になっていない。試合に集中している」と答えた。

 なお、この試合の始球式を務めたのは、トランプ氏の移民政策などを声高に批判するヒスパニック系米国人の著名シェフ、ホセ・アンドレス(Jose Andres)氏だった。

 映像はブーイングにも笑顔を見せるトランプ米大統領。27日撮影・提供。(c)AFP