【10月28日 AFP】英南東部エセックス(Essex)州でトラックのコンテナから39人の遺体が見つかった事件で、ベトナムの公安当局は27日、犠牲者の中に身内がいる可能性を明らかにしているベトナム人家族の頭髪や血液などのDNAサンプルを採取した。当局筋と遺族がAFPに明らかにした。

 英警察は男性31人、女性8人の遺体がコンテナから見つかった際、犠牲者は中国人と発表していたが、その後複数のベトナム人家族が犠牲者の中に親族が含まれているかもしれないと名乗り出た。

 今回の事件では、より良い生活を求めて欧州を目指す不法移民が極度の危険にさらされている実態が浮き彫りになった。

 犠牲となった可能性のあるベトナム人らの出身地の村々では追悼式も行われている。貧困にあえぐ同国中部の村々は、海外での裕福な生活を夢見る不法移民の供給源となっている。

 ベトナム公安省によると、密入国を手配した容疑で4人が拘束されたが、現時点では正式に起訴されていない。

 冷蔵コンテナを積載したトラックは23日、エセックスの工業団地で見つかった。英警察はトラックを運転していた北アイルランド出身の運転手、モーリス・ロビンソン(Maurice Robinson)容疑者(25)を過失致死39項目と人身売買に共謀した罪で起訴した。同被告はさらに違法入国あっせんに関わった罪と不正資金洗浄の罪にも問われており、28日に出廷する予定。(c)AFP/Tran Thi Minh Ha