【10月28日 AFP】ハイチの首都ポルトープランスで27日、警察官の賃上げを求めるデモと反政府デモが同時に行われ、2人が死亡した。

 死者が出たのは、ジョブネル・モイーズ(Jovenel Moise)大統領の辞任を要求する反政府デモで、1人目はデモ隊に向かって発砲された銃弾に当たり死亡。続いて発砲した男が怒ったデモ隊によって撲殺され、遺体を焼かれた。

 反政府デモと並行して警官の賃上げを求めるデモが、警官とその支持者ら数百人によって行われた。デモの開始前、警官らはハイチ国家警察(PNH)の本部で賃金に対する不満を訴えた。覆面をした警官は、報復措置を恐れて匿名を条件にAFPの取材に応じ、「われわれの賃金は悲惨だ。保険もない。保険証はあるが、どの病院へ行っても支払いをしなければならない」と語った。

 モイーズ大統領は2017年2月に政権を握ったが、この選挙結果をめぐっては広範囲にわたる不正の疑いがもたれ、モイーズ氏の勝利を認めたくない野党勢力は同氏に怒りを向けてきた。

 ハイチでは8月末にも、国内の燃料不足に抗議するデモが激化し暴動と化した。(c)AFP