【10月28日 AFP】米下院で最も長く議員を務め、公民権運動の草分け的存在の一人だったアフリカ系米国人のジョン・コンヤーズ(John Conyers)氏が27日、死去した。90歳だった。コンヤーズ氏は、2017年にセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の疑惑で議員を辞職していた。

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 同氏の家族は「きょう、デトロイト(Detroit)市と米国、そして世界は、勇敢な公民権運動の指導者かつ英雄を失った」と発表した。

 デトロイト出身の有力政治家だったコンヤーズ氏は、連邦議会黒人幹部会(CBC)の共同創設者。公民権運動の象徴的存在だったローザ・パークス(Rosa Parks)氏を自身のスタッフとして雇い、パークス氏はそこで23年間務めた。

 コンヤーズ氏は議員歴53年の中で多数のスキャンダルを乗り越えてきたが、2017年に元スタッフらによるセクハラ告発を受けて突如辞任した。セクハラ疑惑の深刻さを受け、民主党幹部に見限られるかたちで辞職したが、コンヤーズ氏は疑惑は「真実ではない」と一貫して否定していた。公民権運動の指導者だった同氏にとって衝撃的な、突然の失墜だった。(c)AFP