「盛大な祝い」を IS最高指導者殺害に安堵するモスル住民
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■「別の良い知らせを待っていた」
ISのモスル支配は3年間に及んだが、2017年に米軍の支援を受けたイラク軍の猛攻撃によって、モスルは解放された。だが、ISはモスルにひどい傷跡を残した。
モスル近郊、特にISが最後まで抵抗を続けた旧市街での被害がひどく、今でも廃虚となったままだ。ヌーリ・モスク(Al-Nuri Mosque)も破壊され、いたるところに落書きされている。隣接するミナレット(塔)も攻撃により吹き飛ばされてしまった。ミナレットは、モスルを象徴する建造物だった。
家々にはまだ不発弾が残っており、住めないほど壊れてしまっているものもある。そのため、避難した住民の大半はまだ戻ってきていない。
他方、イラク国内には約200か所の集団埋葬地がある。埋葬されているのは、ISの犠牲者とみられ、その多くの身元はまだ判明していない。少数派ヤジディー教徒もいまだ数千人が行方不明のままだ。
バッシャール・フサム(Bashar Hussam)さん(31)はISの支配を生き延びたが、父親は途中で命を落とした。父親は病気だったが、ISが避難を許さず、フサムさんの目の前で亡くなったという。
フサムさんは、バグダディ容疑者が死んだことはうれしいが、望んでいたようなハッピーエンドではなかったと語る。
「私たちは別の良い知らせを待っていた――私たちの家が再建され、仕事に戻れて、生活を取り戻せるという知らせを期待していた」 (c)AFP/Raad al-Jammas