【10月28日 AFP】反政府デモが続くレバノンで27日、デモの参加者らが北部トリポリ(Tripoli)から首都ベイルートを通り南部ティール(Tyre)まで、全国170キロに及ぶ前例のない「人間の鎖」を作り、宗派や党派を超えた団結を示した。

 この日、デモ隊やボランティアらは徒歩、自転車、バイクなどで南北を結ぶ主要道路に集結。「人間の鎖」を呼び掛けた一人はAFPに対し、「この人間の鎖は北から南まで、宗派にとらわれることを拒否するレバノン人の姿を見せることが目的」だと述べた。

 人間の鎖に参加した歴史学の教授(31)は、「今日の行動には政治的要求はなく、レバノン国旗の下で手をつないでわれわれのメッセージを表現したいだけだ」とコメントした。

 政治制度の全面的な見直しを求めている数万人規模のデモは、道路を封鎖するなどして全国的なまひ状態を引き起こしており、ここ数日間で治安部隊とデモの参加者の間で緊張が高まっている。

 デモの拡大を受け、サード・ハリリ(Saad Hariri)首相は遅ればせながらも経済再生計画を打ち出し、内閣改造に積極的な姿勢を示したが、今月17日からデモを続ける市民はさらに内閣の総辞職を要求している。(c)AFP/Jean-Marc Mojon and Anwar Amro