【10月28日 AFP】フランスの住宅の台所で見つかったイタリアのルネサンス(Renaissance)初期のフィレンツェ派絵画の祖チマブーエ(Cimabue)による作品「あざ笑われるキリスト(Christ Mocked)」が27日、競売にかけられ、落札予想価格の約5倍の2400万ユーロ(約29億円)で落札された。

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 競売を主催したパリ郊外の町サンリス(Senlis)のオークションハウス、アクテオン(Acteon)は落札者の身元を明らかにしていない。

 チマブーエ(本名 チェンニ・ディ・ペーポ Cenni di Pepo 1302年ごろ没)は先駆的な初期の画家であり、その作品が競売にかけられたことは過去数十年間なかった。

 諸経費を含めた落札価格は、落札予想価格400万〜600万ユーロ(約5億〜7億円)を大幅に上回った。アクテオンによると、今回の落札価格は中世絵画としては最高額、中世および古典派巨匠絵画としては8番目に高い価格となる。

 これまでの最高価格は、2017年の競売でイタリア・ルネサンスの巨匠レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)のものとされる絵画「サルバトール・ムンディ(救世主、Salvator Mundi)」が落札された時の4億5000万ドル(約490億円)だった。

 チマブーエの作品の衝撃的な発見を先月発表した専門家らによると、この絵画はフランス北部の町、コンピエーニュ(Compiegne)に住む女性が所有していたもので、この女性宅の台所と居間の間の壁に掛けられていた。(c)AFP/Esther DELORD, Julia PAVESI