【10月27日 AFP】スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州の州都バルセロナで26日、独立派の指導者9人が長期の禁錮刑を受けたことに抗議するデモが行われ、約35万人が平穏にデモ行進した。しかしその数時間後に行われた急進派による別のデモでは、約1万人が警官隊と衝突した。

 この日の始まりは平穏だった。デモ隊は海岸地区からそびえ立つサグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)教会に向かって行進。道路はデモ隊に埋め尽くされ、旗の海と化した。

 10月としては季節外れの暖かさとなった午後、大勢の若者や老人、子連れの家族を含むデモ隊は、旗を振ったり、歌を歌ったり、シュプレヒコールを上げたりした。

 しかし夜になると、急進派の共和国防衛委員会(CDR)の呼び掛けで行われた別のデモに数千~1万人が合流。警察本部前に集結し、「占領軍は出ていけ!」とシュプレヒコールを上げたり、警備に当たっていた機動隊にカラーボールやビー玉を投げつけたりした。

 現場のAFP記者によると、警察は当初手出しを控えていた。しかし、瓶や石、花火を浴びせられ、最終的に警棒やスポンジ弾を使ってデモ隊の排除を試みた。警察は、このデモの参加者数を約1万人とし、午後11時(日本時間27日午前6時)ごろまでに散会させたと発表した。

 最高裁が今月14日に独立派指導者9人に禁錮刑を言い渡して以来、カタルーニャ自治州では判決に抗議する人々がデモを実施。デモはたちまち暴動に発展し、覆面をかぶったデモ隊と機動隊との衝突が毎晩発生している。公式統計によると、これまでに市民367人、警察官289人の合わせて656人が負傷した。(c)AFP/Diego Urdaneta with Hazel Ward in Madrid