【10月26日 AFP】香港の裁判所は26日、民主派デモの参加者による「ドキシング」(他人の個人情報をインターネット上にさらす行為)を防ぐとして、警官やその家族に関する広範な個人情報を公開することを一時的に禁止した。これには警官を撮影した写真を含むとしている。

 この禁止令は25日夜、香港行政府のウェブサイト上で発表されたが、デモ隊と衝突する警官の個人情報を保護する内容に対し非難の声が上がっている。現時点の文面では、メディアを含め例外を認めておらず、どのように適用されるかや、報道業務が制限されるかなどについては明らかにされていない。

 民主派のデモが5か月近く続く香港では、警察とデモ隊の暴力的な衝突が増えている。警察当局によると、多くの警官が「ドキシング」として知られる行為によって個人情報をインターネット上にさらされ、その結果、家族が嫌がらせを受けるなどの事態が起きている。

 警察の弁護団は25日、警官の名前や住所、生年月日や身分証番号といった重要な詳細を含む個人情報を公開することを一時的に禁止するよう、香港の高等法院(高裁)に要請。またこれに加え、警官のフェイスブック(Facebook)やインスタグラム(Instagram)のID、車のナンバーや、警官やその家族の写真を同意なく公にすることを禁止するよう求めた。

 高裁はこれを受け、長期に及ぶとみられる審理までの間の措置として、14日間の禁止を認めた。さらに、警官やその家族に対する「威嚇、わいせつ、嫌がらせ、脅迫、妨害や干渉」行為も禁止された。(c)AFP