【10月26日 AFP】米大リーグ(MLB)、クリーブランド・インディアンス(Cleveland Indians)のカルロス・カラスコ(Carlos Carrasco)投手が25日、人道的活動、品格、社会奉仕などが評価され、2019年のロベルト・クレメンテ賞(Roberto Clemente Award)を受賞した。

 32歳のカラスコは今年はじめに慢性骨髄性白血病と呼ばれる血液のがんと診断され、今季のほとんどで戦列を離れていたが、9月にリリーフ投手として復帰した。ベネズエラ出身の右腕は、オフシーズンの隔週日曜日に妻のキャリー(Karry)さんとホームレスの人々に食事を配っているほか、シングルマザーのための奨学金を出資したり、米国、コロンビア、ベネズエラ、アフリカなどの恵まれない地域に服や薬品、食料品、学用品を供給するための寄付も行っている。

 インディアンスの選手としては1979年のアンドレ・ソーントン(Andre Thornton)氏と2002年のジム・トーミ(Jim Thome)氏に続き、史上3人目の受賞となったカラスコは、「ロベルト・クレメンテ賞は最高の栄誉の一つだ」「この名誉をクリーブランド・インディアンスと母国ベネズエラと分かち合えることをとても喜んでいる。これからも社会に還元し続け、地域に貢献する選手が増えるように刺激を与えていけることを望んでいる」と語った。

 この賞はピッツバーグ・パイレーツ(Pittsburgh Pirates)の元スター選手で、通算2度のワールドシリーズ優勝を経験しているロベルト・クレメンテ(Roberto Clemente)氏の名にちなんで設立された。

 プエルトリコ出身の同氏は、1972年にニカラグアで発生した地震の被災者に物資を届けようとしていた際に、飛行機の墜落事故に遭い38歳で亡くなった。1973年にはラテンアメリカもしくはカリブ海諸国の選手として初の米国野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入りを果たした。(c)AFP