【10月25日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の弁護団が23日の控訴審で、トランプ氏がニューヨークで人を銃撃しても罰を逃れると主張したことに対し、ニューヨークのビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は24日、「誰かを撃てば、逮捕される。それは大統領だろうと関係ない」と異議を唱えた。

 反トランプの立場を示し、最近まで2020年大統領選の民主党候補指名争いに参加していたデブラシオ市長は、記者会見で弁護団の主張についてコメントを求められ、「誰かを撃てば、逮捕されるのは当然だ。われわれは彼(トランプ氏)も逮捕するだろう」と述べた。

 マンハッタン(Manhattan)の連邦地裁がトランプ氏に納税記録の開示を求める判断を下したことを受けて、同氏弁護団は控訴審で、現職大統領は刑事捜査の対象とならないため、今回の判断にも従う必要はないと主張した。

 判事らは、トランプ氏が2016年の大統領選前に、ニューヨークの5番街(Fifth Avenue)で人を撃っても票を失うことはないと豪語したことに言及。判事の一人が、大統領が法の適用を受けないならば、トランプ氏が人を撃った場合にも当局の捜査を受けないのかと質問すると、弁護団の一人は「その通りだ」と答え、大統領の辞任時に刑事免責の特権はなくなると述べた。

 法の専門家らは、判例に基づいて大統領に与えられた刑事免責の特権は、大統領の公務の一環として取った行動にのみ適用されるとしている。(c)AFP