【10月25日 AFP】フランス、ドイツ、オランダの複数の銘柄の粉ミルクから、がんを誘発する可能性のあるミネラルオイル(鉱物油)が微量検出された。消費者団体が24日、明らかにした。

 食品分野の民間非営利団体(NGO)フードウォッチ(Foodwatch)によると、今回検査した16種の銘柄のうちの8種から、ミネラルオイル芳香族炭化水素(MOAH)の残留物が検出されたという。MOAHは、食品包装用のインクや接着剤などに用いられる。

 一部のMOAH分子を発がん性物質とみなしている欧州連合(EU)は今年、特に脂質の多い食品のMOAHの含有に対する監視を強化するよう加盟国に要請していた。だが、EUは法定規制値を設けていない。

 今回の検査では、ネスレ(Nestle)、ダノン(Danone)、ノバラック(Novalac)、ヒーローベビー(Hero Baby)などの企業が製造した粉ミルクからミネラルオイルが検出された。

 フードウォッチは、「これらの企業に対して、速やかに汚染された粉ミルクを市場から回収するとともに、保護者や乳児の世話をする人々に警告を発するよう要求する」と述べている。

 今回検出された汚染の明確な原因は不明だが、粉ミルク用の金属缶の製造に用いられる油が問題の原因の一つである可能性があると、フードウォッチは指摘している。

 仏食品大手のダノンは、自社で実施した分析では、フードウォッチが検査した銘柄には「測定可能な量のミネラルオイルは含まれていない」ことが明らかになったと述べ、「自社の製法ではミネラルオイル化合物を使用していない」と説明している。

 AFPはスイス食品大手ネスレにコメントを求めたが、これまでのところ回答は得られていない。(c)AFP