【10月25日 AFP】イラン国営テレビは、美容整形で容姿を激変させてゾンビのような顔になり、その後「神への冒涜(ぼうとく)」を理由に逮捕された有名インスタグラマーのインタビューを放送した。

 同局は、ソーシャルメディア上でサハル・タバル(Sahar Tabar)の名で知られるこの女性について、拘束されるべきだという「市民からの多数の要請」を受け、今月5日に首都テヘランの裁判所の命令で逮捕されたと説明。

 現在22歳のタバルさんには、神への冒涜や暴力の扇動に加え、不適切な手段による収入や若者に堕落を促した疑いが持たれているという。

 22日に放送され、顔にぼかしを入れてインタビューに応じたタバルさんは、「今は一連の写真のような顔ではない」と語り、携帯電話で自身の写真を表示させて「これが最近の私の見た目に近い」と話した。

 タバルさんの顔は、ハリウッド(Hollywood)スターのアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんを想起させる一方で、鼻はつんと上を向き、頬はげっそりとこけている。

 タバルさんは、ジョリーさんに似せようとしていたという報道については否定し、ファンタジーアニメ映画『ティム・バートンのコープスブライド(Corpse Bride)』のゾンビのようなキャラクターに着想を得ていたと話した。

 48万6000人のフォロワーを抱えていたと話す自身のインスタグラムのアカウントは現在、休眠状態になっているようだ。

 同局によると、タバルさんは一人っ子で両親は離婚。母親と暮らしており、高校を中退しているという。タバルさんは「いいねが増えてくると、自分が正しいことをしているような気がしてきた」と語った。

「子どもの頃の夢は有名になることだった」と話したタバルさんは、母親が容姿を変えることをやめさせようとしていたにもかかわらず、人気が出てインスタグラムでいいねが増えたために続けてしまったと後悔を吐露。

 同局は、タバルさんが「ソーシャルメディア上では俗悪に振る舞えばたくさんのクリックがもらえる」と認め、もしこの道をたどらなければ「今もっと良い場所」にいられたはずだと話したとしている。

 映像は国営イラン放送(IRIB)の放送内容。24日提供。(c)AFP