【10月25日 AFP】イラク各地で24日夜、反政府デモが再開された。今月上旬に行われ、死者も出た抗議行動の第2波。デモは同国のイスラム教シーア派(Shiite)指導者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師が支持しており、規模が膨れ上がる可能性がある。

 上旬の抗議行動は汚職と失業問題に対する非難として始まり、政治改革を要求するデモへと発展。治安部隊の厳しい取り締まりを受けて沈静化した後、苦境に陥ったアデル・アブドルマハディ(Adel Abdel Mahdi)首相の就任1年に当たる25日に再開する予定だった。

 しかし、首都バグダッドなどでは予想よりも早くデモが再開。同市では24日夜に数百人が街頭で抗議を行った。

 イラクのシーア派最高権威アリ・シスタニ(Ali al-Sistani)師は政府に対し、25日までにデモ隊の要求に回答を示すよう求めており、デモ参加者数は同日中に増加するとみられている。

 シスタニ師は毎週金曜昼の礼拝で説教を行っており、25日昼の礼拝は同日午後の展開を占う最初の試金石となる。だが、一般的に抗議デモは午後に勢いを増すほか、大勢の人がサドル師支持者を見ようと通りに繰り出すことから、真の情勢の分かれ目は午後に訪れる見通し。

 サドル師は民兵の出身で、最大の議会勢力を掌握する実力者。上旬のデモの際も政府退陣を要求していたが、今週に入ってデモに対する支持をいっそう強く表明し、自身の支持者らの参加を許可した。さらに、サドル師は自身の民兵組織のメンバーに「厳戒態勢」を取るよう指示しており、民兵らが首都バグダッド各地で示威行動を取る可能性がある。(c)AFP