【10月24日 AFP】(更新)欧州連合(EU)の欧州議会(European Parliament)は24日、人権擁護活動などで功績のあった人物に贈る「サハロフ賞(Sakharov Prize)」を著名なウイグル人学者のイリハム・トフティ(Ilham Tohti)氏に授与すると発表した。

 北京の大学の元経済学教授で、トフティ氏は2014年、中国の裁判所から「国家分裂罪」により無期懲役の判決を言い渡された。外国政府や人権団体からはこの判決について非難の声が上がっていた。

 欧州議会のダビド・サッソリ(David Sassoli)議長は本会議で中国当局に対し、トフティ氏を直ちに釈放するよう要求。「欧州議会は彼の働きに全面的な支持を表明するとともに、中国当局に対し、直ちに彼の釈放を求める」と述べた。

 25日に50歳の誕生日を迎えるトフティ氏は、「ウイグルの人々全体に声を与えた」として、9月にも欧州の代表的な人権賞、バツラフ・ハベル人権賞(Vaclav Havel Human Rights Prize)を受賞している。

 人権問題を扱う欧州評議会(Council of Europe)は、バツラフ・ハベル人権賞のトフティ氏への授与発表後、同氏が「少数民族ウイグル人が置かれた状況に加え、中国における民族間の対話や理解促進に20年にわたって取り組んできた」とたたえた。

 トフティ氏は2014年1月に逮捕される前、社会問題に関するウイグル語と中国語のウェブサイト「ウイグルオンライン(Uighur Online)」を創設し運営。北京の大学で教壇に立つとともに、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)での民族間の緊張に目を向けさせる穏健な主張を展開し、注目を集めた。

 人権団体や専門家らによるとウイグル人やその他のイスラム系少数民族100万人超が、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の施設に収容されているとみている。(c)AFP/Béatrice ROMAN-AMAT with Jing Xuan TENG in Beijing