【10月24日 AFP】英スコットランドのエディンバラにある観光アトラクション「カメラ・オブスキュラ(Camera Obscura)」で、家族連れの旅行客が赤外線サーモグラフィーカメラの体験をしたところ、期せずして乳がんの早期発見につながったという出来事があった。

 ロンドン西方のスラウ(Slough)在住のバル・ギル(Bal Gill)さん(41)は、5月に家族旅行でカメラ・オブスキュラを訪れ、全身の体温の分布を映像化できる赤外線サーモグラフィーカメラの体験をしてみた。

 カメラ・オブスキュラの関係者によると、画面に映ったギルさんの人影は、片方の乳房だけが黄色く輝いていたという。

「左胸に熱をもった部分があることに気付いた。何かおかしいと思って他の人たちを見たけれど、同じような体温分布の人は誰一人いなかった」とギルさんは書面で当時を振り返り、「人生を左右する」体験だったと述べている。

 ギルさんは自身のサーモグラフィー画像を携帯電話で撮影。帰宅後に医師を受診して相談したところ、乳がんの発見に至った。

 英BBCテレビによると、ギルさんは既に乳がん切除の手術を受け、来月もう1度手術に臨んだ後は化学療法や放射線治療を受ける必要はないと診断されている。

 カメラ・オブスキュラは視覚に訴えるさまざまな展示物を集めたエディンバラの観光スポットで、ビクトリア朝時代につくられた展望台や鏡の部屋などがある。アンドルー・ジョンソン(Andrew Johnson)館長は、館内展示ががんの早期発見に一役買う可能性があることには「全く気付かなかった」と話している。(c)AFP